コンディショニングをもっと戦略的に!筋肉のリカバリースイッチを入れる『香り』の活用法
「香り = 癒し」
そのイメージ、アスリートの方々にはもったいない!!
業界紙『セラピスト』の最新レポート(星薬科大学・竹ノ谷文子先生の研究)で、アロマがアスリートの体に有益であることの、科学的エビデンスが掲載されていました。
好きな香りを嗅ぐと、リラックスしたりリフレッシュできたり、気分を変えるものとのして活用されている方は多いですが、植物の芳香成分は、それ以上に、私たちヒトに有益に働きかけてくれます。
今回の記事は、アロマ(精油)が単なるリラクゼーションを超え、アスリートの「細胞」にどう働きかけるかが明記されていました。
アスリートの皆さんが、日々のメンテナンスに「香り(天然植物由来の精油)」は活用することで、今のコンディショニングをより戦略的なものにグレードアップする可能性があります。
コンディショニングをもっと戦略的に!筋肉のリカバリースイッチを入れる『香り』の活用法
1.筋肉は「動かす」だけでなく「物質を出す」臓器
現在、スポーツ科学界で注目されているのは「マイオカイン」。これは、筋肉を動かすことで分泌され、筋肉自体の修復だけでなく、全員の免疫や代謝にも影響している「筋肉の薬」のような物質とのことで
- 傷ついた筋肉を修復する(筋修復)
- 筋肉を強く大きくする(筋肥大)
- 脂肪燃焼や免疫アップ
など、パフォーマンスを上げるために必要なスイッチであることがわかっています。
研究データによると、運動後に通常のマッサージを行うだけでも効果はありますが、そこに「精油(ラベンダー等)」を1滴加えるだけで、マイオカインの指標が有意に高まることが分かりました。
つまり、アロマは手技によるリカバリー効果を向上させる一手となるということです。
熟練したトレーナーの手技によるフィジカルケアで精油を活用すると、その結果をさらに増幅させ、マイオカイン分泌という結果までもたらすことができます。
2.「酸化ストレス」や「乳酸」にもアプローチ
アスリートが行う激しい運動は、体内に「酸化ストレス(体のサビ)」や「乳酸」を蓄積させます。
特に、酸化ストレスがスポーツパフォーマンスにおいて悪影響を及ぼすことが知られている中で、この研究レポートには
ラベンダー精油の香りを嗅ぐだけで”血中乳酸値や酸化ストレス指標を優位に低下させた”
と記載されています。
つまりレポートの言葉をそのまま引用させていただきますが、”精油の香は、運動後のリカバリーに有効である可能性を確認”したということです。
3.女性アスリートのパフォーマンス維持にも役立つ
女性アスリートの三大トラブルといえば
- 利用可能エネルギー不足
- 視床下部性無月経
- 骨粗しょう症
で、特に代表的な健康問題に「無月経」があります。これは、パフォーマンスや生涯の健康に影響する可能性があるものです。
このレポートの中には、エリート女子アスリートを対象とした研究についても記載があり、クラリセージ精油の活用により
- 睡眠の質向上
- 月経痛やイライラ感の軽減
- 不安感の改善傾向
- 競技パフォーマンスの有意な改善
が確認された…とあります。
この結果には、女性アスリートが競技を続けるうえでぶつかるかもしれない悩みを、科学的にサポートできる可能性が期待できます。
まとめ:「アロマの活用 = アスリートの戦略的コンディショニング」
ここまで読んでいただいて、いかがでしょうか。
アロマは単なる癒しアイテムではなく、激しい運動で疲労した体を、科学的に早期回復を後押しする戦略的コンディショニング法であり「攻めのリカバリー」を実現するツールと言えるのではないでしょうか。
- 今日の疲れを残したくない
- パフォーマンスを向上させたい
- コンディショニングの質を上げたい
そう願うアスリートには、アロマ(精油)は力になります。ハンカチに精油を一滴垂らすだけで、香りを活用することができます。
ただし、精油の活用には専門的な知識が必要で、精油の選定はドーピングリスク管理の問題も伴います。特にアスリートの心身は繊細で、一般の方向けのアロマテラピーよりも注意を払う必要があり、今回紹介した精油も、成分分析が不十分な市販品や、使うタイミング・量を間違えると選手のキャリアも左右しかねません。
精油の活用をご検討される際には、アスリートアロマコンディショニングの専門家にご相談ください。
【参考・出典】
掲載誌: BAB JAPAN『セラピスト』2026年2月号
特集: 「香りの力 再発見!」
寄稿: 「嗅覚とアロマ『最前線レポート』:女性アスリートの三大トラブル解消を目指して」
著者: 竹ノ谷文子 氏(星薬科大学 准教授)
※本ブログは上記レポートの研究結果を引用・参照し、アスリートサポートの観点から構成しています。
